ブックタイトル関西外国語大学 2019大学案内

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概要

関西外国語大学 2019大学案内

ローソン│わたしは学生時代に日本に留学し、日本人の親切さやおもてなしの精神にほんとうにお世話になりました。今はオーストラリア総領事として2 国間の架け橋になれることを心からうれしく思っています。この関西外大では、次世代の若者たちがいろいろな国の人とともに勉強し、ここで経験した国際交流を自国に帰ってから広げている。そうした一人ひとりの交流こそ、大げさかもしれませんが、まさに世界平和への第一歩だと思っているんです。谷本│関西外大は、外国語大学と名乗ってはいますが、けっして言葉を学ぶことだけを最終目標にした大学ではありません。世界中のいろいろな問題や状況を理解する大学、国際交流を進めている大学なのだと考えています。ローソン│なるほど。谷本│言葉とは、あくまでもコミュニケーションの壁を下げるためのツールだと思います。ただ、言葉が共通になっても、相手のバックグラウンドであるその国の文化や歴史まで理解しないと国際交流は生まれないと考えています。ローソン│おっしゃる通りですね。わたしもカリフォルニアに住んでいたことがあるのですが、オーストラリアもアメリカも公用語は英語ですから言葉はもちろん通じます。でも、それぞれの立場を理解し合えないことがよくありました。言葉という壁を越えて思考や行動を理解すること、つまりクリティカルシンキングが、お互いをわかり合うためには必要なのだと思います。谷本│関西外大では語学留学ではなく、専門分野を現地の学生たちとともに学ぶ留学を推奨しています。専門分野を学ぶ留学では、たとえば経済学をひとつのツールとしながら、いろんな国の人の意見や考え方もいっしょに学ぶことができる。それが留学の醍醐味で、重要な学びだと思います。この過程で、視野が広がり、理解力や対人力が培われていきます。ローソン│わたしが日本に留学したのは17歳のときでしたが、最初は驚くことばかりでした。オーストラリアでは見たこともないようなことがマスコミで取り上げられていました。オーストラリアは石炭や鉄鉱石などが豊富な資源国ですから日本に対して貿易黒字でしたが、アメリカは日本に対して貿易赤字で、当時は対日圧力が相当に強かった。オーストラリアから見たアメリカと、日本から見たアメリカはぜんぜん違う国なんですね。そういう違いを自分で見て感じることができ、大いに勉強になりました。谷本│留学から帰ってきた学生たちは、みんな一皮むけるというか、視野が広がることでひとまわり大きく成長してきますね。ローソン│オーストラリアではジュリー・ビショップ外務大臣が「新コロンボ計画」というオーストラリア人学生の留学のための奨学金制度を設けて、かなり大きな予算をつけました。これも大臣自身が若い頃に留学した経験から生まれた政策なんです。おかげさまで、関西外大にも毎年何人かの留学生を受け入れてもらっています。谷本│学生たちが留学するには、金銭的な面でのサポートも重要になります。海外の協定大学と学費相互免除協定を締結して、学費を負担しなくてもすむスカラシップを関西外大では提供しています。さらには、住居費や食費まで援助するフルスカラシップもあります。こうしたサポートが充実しているのは、長年培ってきた海外協定大学との信頼関係があるからこそで、一朝一夕には実現しない環境だと思います。言葉が通じるだけでは真の国際交流は実現しない。海外留学は視野を広げる、人間として成長するための重要な機会。107